2021年の上智大学(理工)の問題
かなりしょーもないことなのですが、以下の問題を見てほしい。
上智大理工(2021)大問2の問10
ダニエル電池をより長持ちさせる方法として正しい記述を、次のa)~d)からすべて選べ。
a) 硫酸亜鉛水溶液の濃度は変えずに、硫酸銅(Ⅱ)水溶液の濃度を濃くする。
b) 硫酸亜鉛水溶液の濃度は変えずに、硫酸銅(Ⅱ)水溶液の濃度を薄くする。
ふと思うと、aとdの記述は同義ではないだろうかと。イオン勾配により、ダニエル電池のセロファンを通過するわけであるから、aとd、bとcは同義ちゃうんかと。まあ、すべて選べと書いてあるし。こんなことを思う方がアホなんか。
思考力を求めて【高校入試編】
これから、連続シリーズとして、高校入試問題を記載していこうと思います。
大学入試も変わりつつある昨今、高校入試から思考力を問う問題を見ていこうという企画です。理科だけですが、よろしくお願いします。
合成抵抗の公式を使わずに求めるぞ【並列回路編】
さて、次は並列回路に行きます。
それでは、問題
10Ωの抵抗器Aと抵抗の分からない抵抗器Bを直列につなぎ、電源電圧を3Vにしたところ、C点の電流は0.5Aを示した。
さて、直流並圧、直流並圧!!
並列回路では、電圧が等しく、電流値の和は全体の電流値!!
とまあ、こんな表を書けば、あとは問題文から情報を当てはめるだけです。
10Ωの抵抗器Aと抵抗の分からない抵抗器Bを直列につなぎ、電源電圧を3Vにしたところ、C点の電流は0.5Aを示した。
C点は全体の電流になりますね。さて、芋づる式で、オームの法則を用いて求めていきますよ。
A点での電流の値は
3V ÷ 10Ω = 0.3A
これを表に書き入れます。とすると、B点での電流の値が自ずと出てくるわけです。
0.2Aですね。
とすると、抵抗器Bの抵抗の値が出てくるわけです。
3V ÷ 0.2A = 15Ω
これらを表に書き入れていきますよ。
全体の抵抗もついでに求めていきましょう。
3V ÷ 0.5A = 6Ω
はい!すべてを書き入れた表がこちら。
合成抵抗の公式で求めても、6Ωになります。
以上、終わりです。
合成抵抗を公式を使わずに求めるぞ!【直列回路編】
中学生が苦手とする計算です。特に、並列回路では逆数の計算をしなければいけないので、嫌だそうです。
では、その公式を使わずに求める方法を紹介します。しかし、覚えなければいけないことが2つあります。それは…。
①直列回路において、電流の値はどこも等しい。電圧の和は全体の電圧になる。
②並列回路において、電圧の値はどこも等しい。電流の和は全体の電流になる。
これだけを覚えておいてください。覚え方は、
直流並圧
では、例題から学んでいきましょう。
8Ωの抵抗器Aと抵抗の分からない抵抗器Bを直列につなぎ、電源電圧を9Vにしたところ、抵抗器Bには0.5Aの電流が流れていた。
この問題を合成抵抗の公式を使わずに求めていきます。まずは、この表を作ります。
でこの表に、回路中A点、B点、全体における関係式を書きます。直列回路では、電流の値が等しく、各電圧の和は全体の電圧と等しくなります。直流並圧、直流並圧!!
こうです!
次に問題文から、分かることをこの表に書きます。
8Ωの抵抗器Aと抵抗の分からない抵抗器Bを直列につなぎ、電源電圧を9Vにしたところ、抵抗器Bには0.5Aの電流が流れていた。
A点における電圧をオームの法則から求めます。
0.5A ×8Ω=4V
ですね。点Bも求めることができます。5Vですね。そしたら、抵抗Bも求めることができます。
では、全体の抵抗を求めましょう。
9V÷0.5A=18Ω
ですね。
確かに直列回路における合成抵抗の公式通り、各抵抗の値を足した値になりました。
次は並列回路です。更新時期は不明です。
電熱線の実験について
水を電熱線で温めて、電力とジュール熱は比例の関係にあるということを確かめる実験で失敗をしたので忘備録としてここに記そうと思います。
手順は、常識的な扱いとして省略します。
①実験結果
時間〔分〕 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 電圧 | 電流 | 電力 | 理論値 | ||||||||||||||||||||
ヒーター青 2Ω | 水温〔℃〕 | 12.2 | 15 | 15 | 17.1 | 21.3 | 23 | 24.8 | 26.7 | 28.3 | 29.9 | 31.6 | 6.0V | 2.5A | 15 | 18 | |||||||||||||||||||
上昇温度〔℃〕 | 0 | 2.8 | 2.8 | 4.9 | 9.1 | 10.8 | 12.6 | 14.5 | 16.1 | 17.7 | 19.4 | ||||||||||||||||||||||||
ヒーター赤 4Ω | 水温〔℃〕 | 12.6 | 14 | 15.1 | 16.2 | 17.2 | 18.2 | 19.2 | 20.2 | 21.1 | 22 | 23 | 6.0V | 1.5A | 9 | 9 | |||||||||||||||||||
上昇温度〔℃〕 | 0 | 1.4 | 2.5 | 3.6 | 4.6 | 5.6 | 6.6 | 7.6 | 8.5 | 9.4 | 10.4 | ||||||||||||||||||||||||
ヒーター黄色 6Ω | 水温〔℃〕 | 11.8 | 13.3 | 14.1 | 14.9 | 15.7 | 16.3 | 17.1 | 17.8 | 18.5 | 19.2 | 19.9 | 6.0V | 1A | 6 |
6 |
|||||||||||||||||||
上昇温度〔℃〕 | 0 | 1.5 | 2.3 | 3.1 | 3.9 | 4.5 | 5.3 | 6 | 6.7 | 7.4 | 8.1 |
②考察
全っ然、比例関係になりませんでした!!特に前半は全く比例関係になっていません。というか、むしろ、放物線や累乗のグラフを彷彿とさせます。
これは何故かというと、電熱線が温まるまでタイムラグがあるからです。電熱線がコイルだと電磁誘導が起こるので、一定の電流が流れるまで時間がかかります。僕は、そこでミスってしまいました。
始め、4分間は捨てて、そこからプロットをしていけばよかったと思いました。
電熱線の実験について
水を電熱線で温めて、電力とジュール熱は比例の関係にあるということを確かめる実験で失敗をしたので忘備録としてここに記そうと思います。
手順は、常識的な扱いとして省略します。
①実験結果
時間〔分〕 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 電圧 | 電流 | 電力 | 理論値 | ||||||||||||||||||||
ヒーター青 2Ω | 水温〔℃〕 | 12.2 | 15 | 15 | 17.1 | 21.3 | 23 | 24.8 | 26.7 | 28.3 | 29.9 | 31.6 | 6.0V | 2.5A | 15 | 18 | |||||||||||||||||||
上昇温度〔℃〕 | 0 | 2.8 | 2.8 | 4.9 | 9.1 | 10.8 | 12.6 | 14.5 | 16.1 | 17.7 | 19.4 | ||||||||||||||||||||||||
ヒーター赤 4Ω | 水温〔℃〕 | 12.6 | 14 | 15.1 | 16.2 | 17.2 | 18.2 | 19.2 | 20.2 | 21.1 | 22 | 23 | 6.0V | 1.5A | 9 | 9 | |||||||||||||||||||
上昇温度〔℃〕 | 0 | 1.4 | 2.5 | 3.6 | 4.6 | 5.6 | 6.6 | 7.6 | 8.5 | 9.4 | 10.4 | ||||||||||||||||||||||||
ヒーター黄色 6Ω | 水温〔℃〕 | 11.8 | 13.3 | 14.1 | 14.9 | 15.7 | 16.3 | 17.1 | 17.8 | 18.5 | 19.2 | 19.9 | 6.0V | 1A | 6 | 6 | |||||||||||||||||||
上昇温度〔℃〕 | 0 | 1.5 | 2.3 | 3.1 | 3.9 | 4.5 | 5.3 | 6 | 6.7 | 7.4 | 8.1 |
今年のまとめ
今年のまとめといって、まとめるほどでもないが、慣習としてまとめてみようと思う。
私自身、今年の大きな変化は公立の教員(中学理科)になったことだ。今までは、中高一貫教育の私学で主に高校で理科を教えていたのだが、今年は打って変わって公立でしかも中学だ。
今年は、来年度から始まる学習指導要領の改訂に伴い、研修が充実していたように思う。また、自治体からの情報が多く提供され、勉強しやすくなった。これは私にとって大きな収穫だったように思う。また、理科は探究活動というものがしやすく、今回の改定はこれに関してのものが非常に多いので、相変わらず大変だ。
理科の中学1年の教科書を覗けば、こうある。
①探求の課題設定
↓
②予想(下調べをしたり、予備実験をしたりして、予想を立てる)
↓
③実験の目的
↓
④実験の計画
↓
⑤観察。実験
↓
⑥実験の結果
↓
⑦実験の考察
↓
⑧探求のまとめ
つまり、ある問題を解決・解明するために、手法を立案し、それを行い、振り返る。これが、いろんな授業で行われるのが、巷で叫ばれている
「対話的・主体的で深い学び」
というものだと思う。
これができる生徒や先生がどれくらいいるのだろうと思う。私のことはさておいてだが笑。これができる理科の先生は一般企業に行くと思うのだが。
にしても、実験の手法を立案させることに重きを置きたい。私が現役の時、教員が言ったことをそのままやりさえすれば、実験はうまくいった。今はそうではない。失敗もしながら、自分で考えてしないことには、上記のことは達成できない。そもそもこれを行うには安全指導をしっかりと行わなければいけないのだが。そもそも、教科書ではこの手順を載せておきながら、次ページには懇切丁寧に実験の手法が載っている。意味があるのか、ないのやら。
さて、理科教育。泥臭いものになっていくだろう。これで理科嫌いが増えるのかどうなのか。
最後に朝永振一郎のことばを引用して終わろうと思う。
ふしぎだと思うこと
これが科学の芽です
よく観察してたしかめ
そして考えること
これが科学の茎です
そうして最後になぞがとける
これが科学の花です