理科とは何だろうか

理科教員の端くれとしてこのような疑問を思い浮かぶ。しかも常にだ。

理科とは何だろうか。この「~とは何だろうか」という疑問をテーマにした著作は数多い。例えば、シュレディンガーが書いた「生命とは何だろうか」やあのノーベル賞受賞者朝永振一郎が書いた「物理学とは何だろうか」が挙げられる。

http:// http://amzn.asia/3jRxiaQ

http://amzn.asia/gOSaV5F

 

さて、私の疑問である、理科とは何だろうか、だ。広辞苑で引いてみよう。

  1.  人文科学・社会科学以外の学問分野。数学・自然科学など。⇔文科

  1.  大学などで、1の分野を研究・教育する部門。⇔文科

  1.  学校教育における教科の一。自然現象・自然科学を内容とする科目の総称

  2. ふむふむ。では、外国で理科はどのような教科として扱われているのかというと、その

  3. 訳から見てみるとしよう。理科を英語にするとscienceである。しかし、科学という言葉がサイエンスとされるのだから云々。少し脱線してしまった。

 

日本の教育において、理科は中学部では第1分野、第2分野と分かれており、また高等学校では物理、化学、生物、地学に分類されている。大学においてもこのような分類は残ってはいるが、さすがに大学院になると学際融合型の研究科も昨今増えつつあるようだ。しかしながら、大学においては、このような分類で、すべての内容を把握することはできるのだろうか。答えは否だ。というのも、東京大学の物理学科ですら、70人の教授陣をもってしても物理学の全分野を把握できないという教授もいる。

さてさて、ますます理科とは何であるかが分からなくなってきた読者諸君に以下の図を見せるとしよう。

  1. f:id:plaplakun:20180722032343p:plain

     この図は私が考える理科のイメージ図だ。地学の上に物理学・化学・生物学が並ぶ。

  2. 地学は何を扱うか、
  3. ・地球そのもの
  4. 地震
  5. が挙げられる。地球が回っていないと重力は生まれない。重力が生まれないと、林檎が樹から落ちることもなく、おそらくはニュートンが天才だといわれることもなかっただろう(彼の功績は重力だけではないが)。ましてや、原子・分子を化学的に解析しようなんてことも過去の人類は試みなかっただろう。原子・分子を化学的に解析する気が起こらないのなら、生命現象を解析することもしなかった。一部強引に私の考えを言ったが、地学を学ぼうと思えば、物理・化学・生物の知識が必要なのだ。逆に地学がなければ、我々人類の英知がこれほどまで発展することもなかったかもしれない。

はてさて、この学問を解析するために手法が研究である。この研究が~科学という言葉で表される。

f:id:plaplakun:20180722033356p:plain

我が国が重要研究課題分野としている情報科学・物質科学・生命科学・環境科学のうち、私は3つの分野を選び、図に落とし込んだ。

この学問を探求しようと思うと、この科学を駆使して研究しないといけない。高校生諸君、オープンキャンパスでこの図を意識して学部学科を選んではどうか?